SUPPING CULTURE REVIEW

批評同人誌『PENETRA(ペネトラ)』のメンバー。ジャンルフリー、ネタバレありです。https://penetra.stores.jp

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

九龍ジョー(2015)『メモリースティック ポップカルチャーと社会をつなぐやり方』

ライター、編集者の九龍ジョーによる初の単著。評論やインタビュー、座談会など媒体を越えて九龍の仕事がまとめられている。彼はまえがきで言う。ポップカルチャーについて書くことで、自分がどう社会とつながれるのかを考えていた。対象はばらばらでも、そ…

Rinbjo(2014)『戒厳令』

高校生の頃コンビニでアルバイトをしていた。650円という地域別最低賃金を10円刻みに丸めただけの時給と引き換えに、あたら青春を安売りしてしまった感は否めない。が、当時その判断に迷いはなかった。バイト代でとにかくCDを買いたかったのである。1…

坂元裕二(2014)『モザイクジャパン』

都内の証券会社をリストラされ故郷に帰ってきた常末理市(永山絢斗)。町はギャラクシーズというAVメーカーが進出してきたことで雇用が生まれ、にわかに活気づいていた。自身もギャラクシーズで働くことになった理市は、社長の九井(高橋一生)にこう告げ…

八木良太(2014-2015)『サイエンス/フィクション』

私たちの身の回りにはさまざまなモノがあふれている。そうしたモノたちは、それらしい形状をまとって生活に溶け込んでおり、個別に意識の対象となることはほとんどない。たとえば、誰もが知っている「たこ焼き器」を思い浮かべてみよう。正方形や円形の鉄製…